CFD(Contract For Difference)取引は、FX取引と同様にレバレッジを効かせて証拠金の数倍の取引をすることができる取引で、日本語では差金決済取引といいます。MT4のEAにはFX取引だけでなくCFD取引に対応しているものもあります。CFDとは何か、MT4のEAでCFD取引に興味がある方に分かりやすく説明します。
CFD取引は、現物の売買が発生しないのが特徴です。取引には、まず少額の証拠金を預け、銘柄を売買し、その差金のみを決済するという流れになります。国内外に上場する株式、世界の主要な市場の株価指数・株価指数先物、債券先物等の価格を参照し、取引開始時と終了時の価格差により決済がおこなわれます。
CFDには「店頭CFD」と「取引所CFD」の2種類があります。店頭CFDは取引所を介さずに、CFD取扱会社(証券会社)と投資家との二者間でおこなわれます。店頭CFDはCFD取扱会社の提示した価格で取引をするCFDであり、取引価格の決定方法や注文方法はそれぞれの証券会社によって違います。投資家は証券会社に証拠金を預け、注文するCFD銘柄、買建または売建の別、注文数量、価格などの注文を指示します。証券会社は、投資家との間で生じたポジションリスクを回避するための取引をおこなっています。証券会社は通常、投資家の注文と同等程度の注文を取引所または提携金融機関等に発注することで、損失を被るリスクを減少させています。取引所または提携金融機関等との間でおこなう取引は「カバー取引」と呼ばれています。CFD取引では証拠金をもとにレバレッジを効かせた取引ができるので、多額の利益を得られる可能性がありますが、証拠金を超える多額の損失を被る恐れもありますのでリスクを理解したうえでおこなうべきです。
「取引所CFD」は公式な取引所(東京金融取引所)で取引されるCFDで、別名「くりっく株365」として知られています。「くりっく株365」の場合、世界の主要な株価指数に加えてETF(上場投資信託)を売買することができます。具体的には、日経平均株価(日経225)、アメリカのNYダウ、イギリスのFTSE100など国内外の株価指数と金や原油のETFが売買できます。少額から取引でき、ほぼ24時間取引することができる商品です。
MT4のEAでFX取引をしている方にとって、CFDはFXと仕組みやルールがよく似ているので理解しやすいはずです。普段はMT4のEAでFX取引をしている方が、株式市場が大きく動く日には株価指数に投資するCFDを取引するなど相場状況によって使い分ける方法をとることもできます。
CFD取引の大きな特徴としてはレバレッジをかけて取引ができることがありますが、海外FX業者と国内FX業者では最大レバレッジに大きな差があります。日本の法律では最大レバレッジは20倍までとなっていますので、国内FX業者は20倍以下のレバレッジでの取引をおこないたい人向けとなります。海外FX業者では、追証なし(ゼロカット)を採用している業者が多いため、証拠金以上の損失を心配することなくCFD取引をおこなえます。海外FX業者は安心してハイレバレッジ取引にチャレンジしてみたい人向けと言えるでしょう。また、MT4が使える業者は国内FX業者よりも海外FX業者の方が多いです。ただし、海外FX業者でCFD取引をおこなう場合のデメリットとしては、税金が国内FX業者で取引した時と比べて多くなる可能性があります。国内FXはどれだけ利益が出ても税率は20.315%と決まっていますが、海外FX業者で得た利益は雑所得に含まれるため、利益に応じて税率が変わりますのでご注意ください。また、海外FX業者は信託保全の採用が義務ではないため、信託保全をしていない業者が倒産した場合は資産の安全が保障されないという点にもご注意ください。
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